2023年度クソ本決定戦最優秀作品「安倍晋三回顧録」の想像を絶する”酷さ”について。

 
 

何をするわけでもなく、書店をふらーっと見回っていたら、不愉快なタイトルで、思わず足を止めてしまった。その名も「安倍晋三回顧録」 

2023年で最も売れた本ベスト12位!なのだそうです。ベスト12位、ものすごく中途半端です・・・。ちなみに11位は何かというと、馬淵睦夫の「ウクライナ戦争の欺瞞」です。もうこのラインアップを視て、日本の未来はクソだと、歯噛みする方もいるのではないでしょううか。

そんな中で、最近ずっと毎日ひどいことがあると下っ端のタカ派と呼ばれる言論人が、これを読んで「安倍さんはスゴかった亅と声高に言っているので、ワシは最近この本を読んだのだけど売り上げのわりに中身がスカスカで信じられなかった。ワシは今年のクソ本ベスト1に、この回顧録を堂々と推したいのだ。どうしてもワシが、それを感じたのは本の前半、

なんか最初に本の前半で(熱い支持者からも)批判された消費税についてそれにどう答えるのかなって読んでたわけね、

 

で、アベさんは、財務省と必死に闘っているんだ!とかネトウヨが吹き上がってのを思い出して、読んでいたら、たしかにやむを得ず(消費税)を上げざるおえなかったんだとは言ってんだけど、どんな理由だろって思ったら、増税派の谷垣禎一に逆らえなかったからだ、とか言うとるんですわ(P120)。もう、え!?なにそれ?アベさんは(財務省)とたたかっている!、とかなんやったの?ぜんぜん、戦ってね―じゃん。もうね、此の時点で、指導者としての0点じゃんって思った。

だって大人として”経済””よりも”派閥を優先”って其の時点で、ダメだろう、フツーは。この時点で、いきなり読んでて、安倍のメッキが、こんなノリで、またたく間に、剥がれていくわけ。

で、更に、ひどいのは、これは日本人全体に言えることなんだけど、日韓の慰安婦問題。

韓国に対して、日本が率先して韓国に過ちを認め、謝罪の意向を示すことは必要だとを語り始める。そこまでは良い。問題は次だ。安倍晋三は本の中で韓国との合意を結んだが「今後日本の総理は、慰安婦問題の”イ”の字も言わなくて済む合意というつもりでした」(P171)安倍晋三回顧録)と其の意図を、語り始める。

 

なんと安倍晋三は、

日本の行為に対して向こう側(韓国)が二度と蒸し返さない条件で、謝罪したのだと本の中で、告白する。

このように、わが国が、彼らに対して謝罪をいくらしても向こうに、誠意が伝わらないのは、こういう謝罪なのだが、

それに彼自身が無自覚なのは救いがない。

何故なら、”何度、繰り返し謝れば、気がすむんだ”。という、そういうきもり文句こそ、真に反省していない何よりの証拠だからだ。

今まで北から南まで

日本を告発する従軍慰安婦像に対して、

日本の保守派は、烈火のごとく、怒り狂って、

”何度謝れば済むんだ”と言ってきた。

しかし、まさにそういう態度が、

彼らが望まない日本を告発する従軍慰安婦像が出現する直接の起因だということに彼らは、気づいていない。何故なら一度謝れば済むだろういうその態度に「一度謝って相手を黙らせればそのうち皆が口を閉ざして、日本の加害責任を忘れるだろう」とかいう歪な考え方が透けて見えてしまうからなんです

其のことに、日本の首相指導者自身が、全く気付いていないのは、致命的だ。

まさしくこういうところに、安倍氏が、

全く、指導者に値しない人間であることが垣間見えるのだが、

其れが更に現れたのが、森友問題のくだり。本の中で、安倍晋三は、森友問題で色々と言い訳を並べ立て、森友問題を振り返り、森友問題を、引き起こしたのは、

自分を矢面に立たせて

内閣の座から引きずり下ろしたい

抜け目のない財務省の、策略もゼロではない・・・と匂わす「私はひそかに疑っているのですが、森友学園の国有地売却問題は、私の足を救うための策略の可能性が、ゼロではない」(P313安倍晋三回顧録)とぬかします。

 

何故かこの文章では、安倍氏は、

公僕である財務省が、自分を矢面に立たせて

指導者の座から失脚させようと企んだ

森友モリトモ事件は、そういう策略だったと思い込んでいるらしい。なんか、そういうズレた自己認識を、持っているらしい。なんか、おいおい、と、思わずツッコみたくなった。ハメられたなら、なんで、昭恵夫人の言動が記された「特例承認の決裁文書」に決裁印を押したひとりの中村稔が、イギリスの大使館の公使に出世してんだよ笑 お前が任命した財務大臣の麻生が決めたんじゃねーか(注1)。其の麻生を任命したのお前だろう。自分が、指名しておいて、其れにハメられた、というのも意味がまったくわからない。

にもかかわらず、安倍さんを財務省は憎んでいて彼らに安倍さんは狙われているのだ!と言い募るのは更に意味がわからない。

 

このようにアホみたいにツッコミどころが多い読むに堪えない本なのだが、で、更に本の中で安倍晋三は、改ざんについて本の中で「佐川さんの指示で、課長以下が関わっていたわけです。そこまで官邸の目は届きません」(P285安倍晋三回顧録)とか言ってるんだけど。

 

おい、国会で、森羅万象すべてを担当してるんじゃなかったのかよ! 

改ざんの責任も、更に、安倍晋三の口からは赤木さんへの謝罪も、本の中でも、一切出てこない。というふうに、このように、全編醜悪な人間の醜さを見せつけられ胃もたれを起こしかける本が、この安倍晋三回顧録という本です。

無能な指導者をトップに立てることが、如何に、日本の経済並びに国民道徳に、大きな代償を伴うかが、たやすく見ることができた。

 

注1・・・201回国会 衆議院 内閣委員会 第4号 令和2318| テキスト表| 国会会議録検索システム (ndl.go.jp)