自分が70点だと思ってるもんは他人から見ればだいたい40点ぐらい

 最近気づいたんですけど、友人関係において、お互いの顔に点数をつけあうというのはひとつのタブーなのではないでしょうか。友達同士でお互いの顔を「あんたの顔○点よ」と言い合える関係になるまでって、けっこう勇気がいるというか、話題にのぼらないというか、そんなことを本音で言いあっている友達同士って、ほとんど見かけないと思うんですよね。不思議と。
 顔って一番個人のセンシティブな部分というか、ほかのことは許せても顔のことだけは貶されたくないってとこ、みんなありますからね。だからお互いが適度にブスだったらいいですけど、一方がちょい美人で、もう一方がブスだったら、しかもその二人が昔から仲良しだったら、なおさら言えないんじゃないですかね。長年の友情にヒビが・・・。というか、どっかで絶対こいつよりは上だろみたいなのがありますからね。人間。
 村上龍が自分のことをイケメンだと言ってネットで騒がれていましたが、あの大御所ですら(いや大御所だからこそ)勘違いしたまま大人になってしまうというか、大人になればなるほど「お前は自分で思ってるほどじゃないよ」って言ってくれる人は少なくなっていきますから。こういうのは早いうちに指摘されておいたほうが、勘違いせずに大人にならなくてもすみます。
 僕も22歳の今まで、自分がちょいイケメンの部類に入ると思ってたんですよ。まぁオダギリジョーが100点だとして、少なく見積もっても80ぐらいはあるだろうなと、オダギリジョーよりちょっと下かなって。でもどうしてこんなにモテないんだろう。おかしいなって、ずーっと思ってて、ちょっと前に友人から「お前の顔は、40点ぐらい」って言われて、ちょっと引いたんですよ。血の気が。嘘ぉうって。せめて少なく見積もっても70はある・・・それは絶対ある・・・って思ってたので、これには衝撃というか、実を言うといまだに信じてませんからね。正直。やっぱりどっかで70はあるだろ・・・て気持ち、まだ残ってますからね。そんで僕、指摘してきた方の友達の点数も言ったんですよ。ずーっと前から40点だと思ってたんで、40点ぐらいだって。正直に。ところがそいつも、ボクと同じで自分の顔を70点ぐらいはあると思ってたんですよ。これは恐いですよ。お互いがお互いの顔を70点だと思い込んでいるわけです。そんで実像は見事にそこから30点引かれてるわけです。今回、指摘し合えたからよかったですけど、このままになってたら、ずっとオダギリジョーよりちょっと下ぐらいって思いこんだまま大人になってましたよ。危ないとこですよ。
 みんな30点加算されてるわけです。この30点がいったい何かといったら、自己愛なんですよ。小説でもなんでもそうですけど、自分で70点だ!って思っても、他人からしたらだいたい40点ぐらい。人生もそうじゃないですかね。だいたい自分の理想と30点ぐらい引かれてる。
 ただ理想高すぎると、もっと引かれますけどね。プラスされることはほとんどありません。セルフイメージっていうのは、もう自分の都合の悪いところは隠すようにできてありますから。だからそういうところをいつまでも他人に指摘されないまま、大人になると、たぶん職場で浮きます。そういう自分フィルターっていう補正機能を早めにとり、現実にしっかりと腰を据えることが大人になる第一歩かもしれません。そしてボクはいまだに自分フィルターがかかったまま、フリーターを続けております。
 自分の顔は70点ぐらいだと思ってる皆さん。40点です。覚悟してください。
 みなさんもやってみてください。友達とか家族とかに「俺の顔何点?」って。見事に30点ぐらい引かれてますから。これはほんとです。あとで結果を教えてください。