韓国映画「パラサイト」を語る。

 
 

    

  世界で、仏や、米の作品賞を取り、世界中で大ヒットした「パラサイト」を見た。

 いや~面白かった。というのも、やっぱりこういう映画では韓国には勝てないんじゃねーのって思った。でも、韓国映画の描く貧困は、どれもこれも、本当に貧乏くさい顔してる人しか出てないわけよ。そこがいいわけよ。もうソンガンホも、そうだけど、パラサイトのキャスト全員貧乏くさいからね。日本人がコレとったら、例えば、若手の映画シナリオライターが、プロデューサーにこのシナリオを書いて持っていったら、主人公を、ヒロインの娘役に帰られて、「あーだめだめだめ、おっさんが主人公の映画なんて、受けないから」さとか言われて強引に、しかもそのヒロイン役が、長澤なさみとか、貧乏な家庭に、長澤まさみとかいるわけねーだろ、って思うんだけど、そんなルックスの女優をキャスティングされで、で、最後は色々あって、「格差はいけないと思います」とか口で言っちゃうような感じにされたと思うよ。日本映画ってそんなのばっかりじゃん、でも、韓国映画は、貧困を描こうとすれば、本当に貧乏くさい人が出てくるし、映画で伝えたいメッセージも、セリフではなく、映像で伝えようとするわけよ。

 この映画「パラサイト」の主人公達は、その民営化により仕事を失った人々なんやな。

  で、この映画が更に素晴らしい所は、金持ちを善良な人と描いている所や。現代の格差の問題は、貧しい人よりも、お金持ちの方が「善人になる」ことだ、と描く。金持ちは、 嘘をつく必要もない、詐欺を働く事もない。すべてが金で片が付くからだ。確かに、貧乏人一家は、不正を働いたし、生きるために嘘をつき、堕落しているが、金持ち一家も、ある種、堕落しているのだ、と映画は説く。金持ちの堕落の方がずっと危険だ。とポンジュノは訴える。なぜなら金で解決できる故に、相手の視点「から」物事を見る事が絶望的にできないからだ。

 金持ちの善良さは「金で全てを解決できる環境で培われた無知」なのだ。と映画は告発する。金持ちが、道徳性を保持していられるのは、他の人に「不道徳」を押しやっているからだと 

 パラサイトは今年の一番の、傑作である。日本映画に引導を渡した傑作を絶対に、見逃すな。