秋のお勧めブックガイド。コロナ自粛中はこれを読め。コロナ読書週間に読むべき本「五冊」を語る。

  

 なんか、今、世界の至る所で、市中感染が拡大して、大変な状況なのだが、未だに「外へ遊びに出る」風景が広がっているので、ワシは一喝したい。若者よ。まだ油断するな。コロナはそこに存在する。人々よ。こんな時にこそ、本を読むのだ。コロナは、知の蒙を開く、チャンスと捉えよう。だが、何読めばいいか分からない。そういう人に、今日は、ワシが厳選したコロナ読書週間に読むべきbest5を選んでみた。夏休み期間中の学生は、是非参考に居て欲しい。ではいくぞ。

 

それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫)
 

 

この本は、歴史学者加藤陽子の歴史の入門書や。どういう本かと言うとな。僕たちは、アメリカって国と戦争して負けたんだと思ってるやん。アメリカの巨大な物量で負けたんだと。でも加藤陽子さんは、違うと言うねん。わしらは中国に負けたと。まさに中国に負けたことが日本の敗戦なんだと、で、この本では、日本の敗戦が、ある種の謀略で、導かれたという事を克明に記述すんねん。日本はアメリカに負けたのではない。「 ある一人の中国人の巨大な策略によって敗戦に導かれた」その中国人とは何者か。読めば読むほどスリリングで、外交と言うものが、どれだけ国の命運を左右しているかと言うのを学べます。

 

堕落論 (集英社文庫)

堕落論 (集英社文庫)

  • 作者:坂口 安吾
  • 発売日: 1990/11/20
  • メディア: 文庫
 

 この本は、中学生や高校生向けに書かれた坂口安吾哲学書や。この本は、超面白いで。何を言ってるかと言うとな。日本はコテンパンにアメリカに戦争で負けたやろ。そやけど、なんであんな戦争したんや言うたら、みんな軍部の暴走だ、とばっかり言いよる。けど、坂口安吾は、違うって言うねん。日本が戦争に突き進んだ原因は、「女を神秘化したせい」だって言うわけ。当時日本は、みんな出版物は、検閲されてたんや。その中でも、特に禁止されたのが「未亡人の恋愛」やった。夫を亡くした女性が、他の男と不倫したりする。そんな出版物は全て検閲されていて、坂口安吾は、それこそが日本を戦争に導いたって言うねん。つまり「女を神秘」化したことで、日本男児は、「貞操を守る」という口実で、戦い続けたわけや。守るべき対象があると、人は攻撃的になる。だからみんなお互いに期待すんのやめて、ダメになろうや。相手がドン引きするぐらい、自分の内に秘めたおぞましい妄念みたいなものをさらけ出して生きて、堕落して生きろ、と言う本やねん。この本は、10代のときに読んで、ワシが最も影響を受けた本や。お勧めしたい一冊なんや。 

 

 

この本は、児童向けの漫画「少年少女日本の歴史」や。20年以上前の本やけど、今読むと、逆に新鮮と言うか、この時代にこそ読んで欲しい一冊やな。若干長いので、手っ取り早くエッセンスだけ楽しみたいなら、ワシのおすすめは、昭和史や。どういう内容かと言うと、たまにおっさんが「日本はアジアを解放した」って言うやん。でもあれ嘘やねん。実は、日本は、アジア解放と言いながら、インドネシアの独立を認めなかったんや。でこの本は、そういう日本の負の部分を描くところがええねん。例えばフィリピン占領のシーン、日本はフィリピン軍を占領するんやけど、フィリピンは、ちょっと日本人を見下してんねん。なんでかって言うと、日本が来る前にフィリピンは既に独立を確約されていたんやな。で、日本人もアジアを解放しに来たと思ってるから、フィリピン人をちょっと見下してんねん。そこらへんの描写が、子供向けとは思えないほど、リアルで凄いねん。

 日本人の意識にある(日本軍が来なければアジアは一生奴隷だった)と思い込むその傲慢さ。それこそが差別意識である。と訴える本だ。素晴らしい本なので、昭和史はいまの時代に最も読んで欲しい一冊やな。

 

 

この本は、ある経済学者の経済学の入門書や。この本も、超面白いで。何を言うてるかって言うとな「今我々が享受している富は全て借金によって作られた」って言うてる本やねん。例えば、蒸気機関車、あれは元は「借金」から生まれたんや。昔の人は、借金は絶対に「タブー」と言われていたんや。なんでかって言うと、キリスト教が原因なんや。それまでキリスト教では、楽園追放によって「労働」は、人類に負わされた「苦役」という意味合いを持っていたんやな。だから、キリスト教は、利子を獲る事を強く禁じていたんや。なんでかって言うと、キリスト教には、安息日というのがあって、その日は休まなきゃいけないんだけど、お金に利子をつけたら「お金がずっと働いている」状態になってしまうやん。だから、キリスト教は、お金を課すことを禁じたと言われてるんやな。だから、それまではずーっとお金は借せなかったんだけど、あるときプロテスタントが出てきて、キリスト教をアップグレードさせたらしいんや。金借してもええやん。って。そしたら、ぐわぁ~っと世の中がどんどん発展していったらしいねん。借金こそが、社会の富を生んだ。ってヤニスさんは、言うねん。資本主義の繁栄は負債にまつわる道徳性が消去されてはじめて可能になったのだ。と。まあ要するに、国の借金で悪いイメージあるけど、国や個人が「借金」で押しつぶしてしまう場合には、借金を「踏み倒す」ことも考慮すべきだ、という事を言う人やねん。スゴイやろこれ。お金の考え方や、物事の見方がコレ読むと、ググっと変わるので、お勧めやで。

 

民主主義 (角川ソフィア文庫)

民主主義 (角川ソフィア文庫)

 

 

この本も、若い時に是非読んで欲しい一冊やな。文部省の「民主主義」や。民主主義とは何か。答えられへんやろ。この本が言うには、民主主義は、「効率を悪くする事」だ。って言うねん。え?って思うやん。でも実際、そうやねん。多数の人が投票権をもてば、効率は悪くなんねん。自分の権利を主張するからな。じつは「権利」ってのは効率が悪いねん。で、みんな物事が決められないでイライラする。で、ヒトラーが出てきたんや。ヒトラーは「民主主義は遅い」って言って、デビューしてきたんや。だから一党独裁で行きましょうよ。って。それにかばっと人々は持ってかれたんやな。最も賢明な指導者が、民衆を率いる。これを哲人支配論と言うんやけど、ヒトラーは無茶な外交をして、結果的に、鉄人支配論は衰退してもうた。そこで人類は学んだ。効率性の良い一党独裁の政治よりも、半ば相半ばする矛盾(「効率」と「権利」)を抱きながら決定する「政治」のほうが、良い結果を生む。ということやったんや。

 この本の白眉は、民主主義は「多数決に誤りがあることを初めから勘定に入れている」と言うところや。「鋭い指導者」の国家よりも、「どんな人間もミスを犯すことを前提に造られた無能な指導者」の国家のほうが、「末永く生き長らえる」ということを学んだんやな。でもこの本は、そういう民主主義にも弱点がある、とも言う。例えば、政治家を買収したり、人を洗脳したりして格差が拡大することもある。しかし、そのときに政治の腐敗を「民主主義のせい」してはならない。って言いよんねん。なぜなら、政治家が買収されたり、人が無能な政治家に投票するのは、その人が、投票の時だけに参加して、あとは政治任せにしてきた「付け」なのであって、決して、民主主義の罪ではないんだと。もっと効率の良い決められる政治を目指しましょう。そういう甘言に騙されてはいけないぞ って言うてる本やねん。民主主義って何?という人に、この本はぜひ読んで欲しい一冊である。

 

 ってなことで、以上や。老若男女にお勧めの5冊を、とりあえず紹介してみた。YouTubeばっかり見てる中学生高校生にはぜひ普段手に取らない本を手に取り、本の魅力を知り、教養を深めていってほしい。ほんじゃーな。