「悲報」30歳。非正規。何もしたくない病にかかる。

 

 4月の春の陽気に包まれ、初々しい新年の日光が肌に降り注ぐ時期に自宅に完全に籠城。誰とも関わらない生活を始めて、約2年、その暗い生活から抜け出そうと近所の食料品店に勤め、約3年。朝六時に起きて、店内の照明をつけ、総菜の品出しをし、事務処理をして、昼の12時に、帰る。計6時間働く。一般人の基準で見れば「舐めてる」程働いてないのだが、仕事が単調のせいか、結構疲れる

 「時間が短い」と言う理由で、私はこの仕事を何年も、続けてきた。が、ある時、突然、店長から、呼ばれ、こう言われた。何歳だ?と聞かれ、30ですと答えたら、もういい年やなぁ、と言われ、更に、こう問われた。そろそろこの店で、本腰入れてみないかと。本越しとは、正社員って意味なのか。うまく掴み取れなかったのだが、正社員みたいなニュアンスだったのは確かだ。ワシは一応、この店では、パート社員ということになっている、が、店側はもっと上の待遇にしてワシに大きい仕事も任せたいと思ってるらしく、私は30過ぎた結果、上から「大きな役割」を押し付けられそうな気配に若干恐怖を感じるのだ。というのも、わしは、正社員になる気が全くない、のだ。

 年を取れば、みんな「一人前に所帯を持ち、正社員になる」と思っていたがワシは30過ぎても未だに、そういう気持ちが湧いて来ない、自分が超ダメな人間だと思い至るようになった。ワシは、人生の途中で、人が「正社員になる」というのが、未だに理解できないのだ。なぜ人は、正社員になるんだろうか、僕なんか仕事なんかすぐ飽きてしまうタチなので、一つの仕事を続けている人を見ると、ホントに尊敬してしまうし、自分には到底できないと劣等感を感じてしまう

 だが、周りにいる正社員の人を見たら、毎日、何時間も働かされていて、みんな上司に怒られ、顔が死んでいるように見えるのだ。なんかみんな正社員の人たち、結構毎日辛そうに見えて、あんまり正社員になっても幸せになれる感じが全くしてこないのである。

 ワシは正直に白状するが、自分が「まだ何者でもない」状態をキープする事で自分は「まだ何者かになれる」可能性の余地(期待感)を心の拠り所にして、毎日を生きてるのである。おそらく、こういう人間は「大人」にはなれないだろうと我ながら思う。

 大人になるという事は、「期待感」を「金」でトレードオフする悪魔の取引だからだ。

 だからと、わたしは最近特に何もしていない。人と喋るのも億劫になってDMも通知も半年ぐらい見ていない。布団の中に居てモゴモゴしてるだけだ。こんなふうに年を取っていくのかと思うと、考えただけですごくゾッとしてしまう、でもなぜ日本は、自分の可能性を狭めるような生き方を強要されなければならないのだろう。考えれば考える程、憂鬱だ。こんな私は一生社会人になれないのでしょうか。きついです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 正社員。

 期待感。