働くのが辛いんじゃなくて、働く動機がないのが辛い。

 無職がつらすぎる。おばちゃんが嫌でバイト先を辞めてから4か月。
 バイトをしようと思って電話にかけようとは思うんだけど、ケータイに触れただけで、死刑台に立ったような気持ちになり日がな一日、結局、ぶつくさこぼしてばかりいるか、本を読んでいるだけの生活が続いている。アルバイトをする気がまったく起きないのだ。私は社会性が異常に「ない」。無職になってから日を重ねるごとに社会性が無くなっている気がする。
 いま延命治療かのように本を売ってお金を稼いでいるんだけど、この労働先延ばし戦法。いつまで続くんだろう。先の見えない人生がますます希望のない人生へと加速し、その代わりモテない純度だけが上がっているような気がする。
 最近、睡眠時間が異常に長い。無職になってから、しょっちゅう悪夢をよく見る。
 いつも寝るときは「エロい夢が見たい」と思いながら眠るのだが、なぜかいつもBバップハイスクールに出てくる古風なヤンキーにバイクで追い掛け回される夢ばかり見る。マジで地味にキツイ。こないだは、むちゃくちゃ汚いホテルを何時間も掃除してる夢を見た。もう、ひったすらに掃除してるわけ。それで、なんか知らんが、「オードリーヘップバーンが来る」。ってずーっと思ってるわけ。オードリーが来るから綺麗にしとかなってずーっと掃除してるんだけど目が覚めたときのストレスが尋常じゃなかった。
 僕のおじいちゃんは本当に働き者だった。毎日一生懸命働いていた。昨日よりも今日が「豊かになる」ために働いていたらしい。僕のお父さんも、またよく働いた。生まれてくる子供が「豊かになる」ために働いていた。「子供のため」に働いた。ところが今ぼくは働いても豊かになれない時代に生きている。生まれてくる子供に社会的な豊かを期待することもできない。働く動機のない時代に生きている。どうして働くの?「お金のため」としか言えなくなった時代。
 ぼくは働くのが嫌いなわけじゃないんだ。働くのが辛いんじゃなくて、働く動機がないのが辛い。